集合写真やプロフィール写真などを編集する際に、よくご相談いただくのが人物の表情、特に笑顔に加工する方法についてです。
撮影人数が多いと全員が笑顔の瞬間をなかなか撮影できなかったり、一人一人撮影した場合も、いざカメラを向けられると緊張で表情が硬くなってしまったり。
かといって、人の表情を後からレタッチで変更するにはかなり時間がかかります。
先日もお客様からこんなご相談をいただきました。
そこで今回は、PhotoshopのAIを利用したニューラルフィルター、「スマートポートレート」機能についてご紹介いたします。
Photoshopのスマートポートレート機能とは?
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スマートポートレートは、Adobe Sensei(アドビのAI技術)を活用した編集機能です。
写真の中にある人物の顔を自動検知し、
- 表情の変更
- 年齢調整
- 顔の向きの調整
- 髪型の微調整
- 照明効果の最適化
などを行うことができます。
スマートポートレート機能の使用例
今回はサンプル写真を例として、スマートポートレート機能を使用し、人物の表情を変更する加工を行っていきます。
元の写真画像
まず、こちらがサンプルとなる元の写真データです。
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真ん中の男性の表情を笑顔に加工したいのですが、濃い髭があり口も完全に閉じています。
従来のレタッチ方法ですとかなり骨の折れる作業になりそうですが、果たしてスマートポートレート機能を使った場合は、うまく笑顔にできるのでしょうか。
スマートポートレート機能を使った笑顔加工①
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最初に、スマートポートレート機能の「笑顔」の数値を「+25」に設定し、加工した画像がこちらです。顔立ちや髭の質感などはそのままで、自然な形で笑顔に変更されました。
スマートポートレート機能を使った笑顔加工②
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次に、同じくスマートポートレート機能の「笑顔」の数値を最大の「+50」に設定した画像がこちらです。
他の人物の表情と同様の笑顔に変更されていますが、よく見ると髭の一部が明るくなっていたり、口角の上がり方などもやや不自然な部分があります。
そのため、もし実際に使う場合は少しだけレタッチして手直しをするか、もしくは「笑顔」の数値を下げてみるのが良さそうです。
ただ、表情を一からここまでレタッチするよりは、はるかに簡単で自然な仕上がりです。
スマートポートレート機能の「笑顔」の数値は「1」刻みで変更できますので、仕上がりを確認しながら調整していくことができます。
Photoshopのスマートポートレート機能の使い方
1. 「フィルター」から「ニューラルフィルター」を選択
Photoshopでスーパーズーム機能を使いたい写真ファイルを開いた後、メニュー内の「フィルター」から「ニューラルフィルター」を選択してクリックします。
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2. メニューから「スマートポートレート」を選択
ニューラルフィルターの画面が開きますので、「すべてのフィルター」の「写真」にある「スマートポートレート」をクリックし、スイッチをONにして有効化します。
なお、スマートポートレート機能を初めて使う場合はフィルターのダウンロードが必要なため、右端のアイコンをクリックし、サーバからダウンロードを行ってください。
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3. 編集したい人物の顔を選択
写真の中の人物の顔が自動検知されるため、「選択した顔」欄が、編集したい人物になっているかを確認します。
もし異なる人物が選択されている場合は、矢印ボタンを押して該当人物を選び直すか、もしくは写真をクリックして直接選択してください。
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4. スライダーを操作し、編集したい項目の数値を設定
編集したい項目のスライダーを操作し、数値を設定します。
複数の項目を設定する場合は、一番上にある「組み合わせのバランスを自動調整」にチェックをつけたままの方が自然な仕上がりになるため、おすすめです。
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5. 出力先を選択し、OKボタンをクリック
プレビューを見ながら数値を決定し、出力先に「新規ドキュメント」または「新規レイヤー」のどちらかを選んで、OKボタンをクリックすると完了です。
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まとめ
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今回は人物写真の表情加工に便利な、Photoshopのニューラルフィルター「スマートポートレート」機能についてご紹介しました。
スマートポートレート機能は、従来の手動でのレタッチと比較して、さらに短時間で自然な仕上がりの笑顔加工が可能となっています。
また、表情のほかにも、人物写真の視線や顔の向きなど変更できるため、再撮影や合成が難しい場合の写真加工に役立つ便利な機能です。
ただし、あくまでAIによる画像加工機能のため、
- まずは小さな調整から始めてみる
- 極端な調整は避け、自然な範囲での加工を心がける
- プレビューを活用して、結果をこまめに確認する
といった点に気をつけて編集するのが良さそうです。
Photoshop機能のちょっとした小ネタですが、皆様のお役に立てれば幸いです。
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