2020年最大のヒットといえば鬼滅の刃ですよね。
噂ではジブリ超え!なんて言われていますが、今や右を見ても左を見ても鬼滅鬼滅鬼滅…。
こうやって世の中で大ヒットするモノが出てくると、どうしても分析したくなるのがマーケターの性。
そこで、中学生から筋金入りのアニメおたくのわたしが分析する、鬼滅の刃は何故ヒットしたのか? を話していきたいと思います。
鬼滅ヒット理由その① 純粋に作品が王道で丁寧で面白い
「鬼滅 ヒット理由」「鬼滅 なぜ流行った?」などを検索しても、実はなかなかこれ! という理由が出てこない。
そこで私が導き出した理由のその①は単純で普通だけど、王道の少年漫画のストーリーという作品自体の面白さ、そしてその作品を丁寧にアニメ化したアニメスタッフの功績です。
鬼滅のヒット要因を分析するマーケターの文章を読むと
「敵にも戦う悲しい理由があり、救われるべき存在なのが新しい」
などと書かれていますが、これは普段アニメをあまり見ない人の分析と思われます。
元来、日本のアニメやマンガは勧善懲悪ではありませんでした。
敵に戦う悲しい理由があるのは歴代ガンダムやジブリも同じ。特に新しい要因ではないんです。
鬼滅のストーリーが大正時代をモチーフにしているのが新しい、という話も耳にしますが、着物と剣をモチーフにした少年漫画は「銀魂」「るろうに剣心」など時代は違えどたくさんありますのでそれほど重要な要因ではないと考えます。
あくまで、王道、そしてその王道のストーリーを丁寧にアニメ化した、というところがとても大きい基礎の部分です。
鬼滅ヒット理由その② 単行本売り切れからのコロナからの映画ミラクル
鬼滅が大ヒットした時期は、ちょうどいろんな偶然が重なっていた時期です。
2019年から鬼滅は話題になっていて、単行本の売り切れやアニメの大ヒットなどが重なりました。
鬼滅の単行本が手に入らないニュースなどが連続して報道されていて、元々話題にはなっていました。
ただ、ヒットが決定的になったのは、コロナで自粛期間に鬼滅の噂を聞き単行本やアニメを見てハマった人が増え、さらに映画館の解禁と共に映画がスタートし、映画の話題性を見て映画から入ってハマる人が増えて…というミラクルの連続。
単行本の売り切れくらいまでは仕掛けた人がいたのだと思いますが、その後のコロナから自粛明けの映画解禁までは仕組まれた事ではなく、偶然に偶然が重なりミラクルが起きたのだと思います。
鬼滅ヒット理由その③ コロナで全国民暇だった
わたしは一番の理由がコレだと思っています。
「コロナでみんな暇だったから」
今まで忙しかったサラリーマンや学生などもコロナの緊急事態宣言やテレワークで自分の自由に使える時間が増え、動画やマンガ、アニメなどを見る時間が増えた。
その時にたまたま単行本売り切れで話題だった鬼滅を読んでみたら(見てみたら)めちゃくちゃおもしろかった。(①の要因)
ハマっていたところにタイミング良く映画館の解禁。
映画やイベントなどを自粛で封じられていたタイミングと重なっていたため、たまったストレスを開放するように映画を見て、そして映画の出来が良い(①の要因)でさらにハマる。
映画が話題になったので後追いで見る人が増えてまたハマる→大ヒット、というわけです。
今回、鬼滅の大ヒットを押し上げた一番の層は
「普段アニメを見ていなかった層」「アニメを見るなんて数十年ぶりだ、という大人層」
だと思っています。
元々アニメを見ていない(=他を知らない)ので「鬼滅だけが特別すごい!」となった。
しかしアニメを普段から見ている人からしたら、鬼滅は確かに面白いけど「これだけが特別」ではなく「王道のよくある話」なんです。
コロナで全国民暇になったから、そしてコロナでたまったストレスを解消する良いツールとして、鬼滅の大ヒットは起きたのだと思います。
まとめ
今、鬼滅にハマっている人はこう言うかもしれません。
「ごちゃごちゃ言うんんじゃなくて心に響いたんだ!」
「忘れていたモノを取り戻せた作品だ!」
「鬼滅が日本を動かした最高の作品だ!」
たしかに、作品自体はとても面白く、アニメの作りも丁寧でとてもクオリティの高いものだったかもしれません。
ただ、同じようなクオリティの同じような王道のアニメやマンガは世の中にたくさんあり、特に鬼滅が特別新しいものでもない、とわたしは思っています。
マーケティングは確かに仕掛けていたと思いますが、製作者が仕掛けている以上の偶然が重なった今回のヒットだったのでは? と思っています。
元来、日本のアニメはとても面白いもの。
今回鬼滅にハマり、アニメって面白いな、感動するな、と思った方はぜひ、他の作品もいろいろ見てほしいですね。
そしてマーケターとしては、世の中からヒット作品が出たときに自分なりの「なぜ売れた?」を、自分の感情を一旦抜きにして、客観的に考えてみてください。
もちろん「正解」はありませんから。
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